
5月の小競り合い以降、緊張感を高めてきたカンボジアとタイの国境紛争は、7月24日にタイ軍とカンボジア軍で本格的な戦闘となりました。タイ軍の攻撃に対し、カンボジアは事前に兵力を配置する等、十分な準備をもって迎え撃ち、タイ軍の陸上侵攻を許しませんでした。推測となりますが、中国から衛星情報やタイ軍情報等を取得していた可能性もあります。
これまでに砲撃などにより。両国の民間人を含め合計で30人以上が死亡したと伝えられています。7月28日に、米国の仲介もあって。両国は停戦に合意し、29日午前0時から停戦となっています。米国のトランプ大統領は、関税交渉を圧力に使って、両国から合意を取り付けたとしています。
タイ軍部は文民統制には程遠い状況にあり、戦前の関東軍のようなものであり、2011年のプレアビヒアでの軍事侵攻と同様、今回もタイ軍部はタイ政府の方針に反して軍事力行使に至ったものと見られます。タイ軍は航空戦力やドローン戦で軍事力的には優位であったにも拘らず、米国・中国・マレーシアによる現代版「三国干渉」で、4日間で停戦に持ち込まれ、再び何も得られずに停戦となったため、今後タイ軍部内では責任の擦り付け合い等の内部抗争が激化するものと見られます。
他方、タイ軍は、侵攻以降、偽情報や強弁等、中国や北朝鮮と同様の情報戦を仕掛けていました。カンボジアは、タイの偽情報を否定するのが精一杯で、かなり振り回され様に見られます。米国や中国は、衛星情報や電子情報で両軍の動きをかなり精密に察知していたものと見られ、こうした偽情報による影響は限られていたものと推測されます。しかし、日本については、フェイクニュースだらけのSNSに加え、朝日新聞等の大手マスコミもタイ軍の「大本営発表」をうのみにした報道を行っていたのは残念でした。
中国やロシア、イスラエル等が軍事力を行使して、力による現状変更を企図しています。カンボジアは、タイとの国境紛争に関しては、国際司法裁判所への提訴や国連安全保障理事会での議論を行っています。日本としては、「力による現状変更の企てを認めない」との方針を貫き、国際法に基づく平和的解決を支援していくことが期待されます。
最後となりましたが、今回の戦闘で亡くなられた方に心より哀悼の意を表します。また、被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。
(写真は、タイの攻撃で破壊されたカンボジアの寺院。AKPより)
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