
8月29日、カンボジア経済財政省は、公的債務統計報告書(Cambodia Public Debt Statistical Bulletin)第27号を公表しました。2025年6月末現在のカンボジア政府の債務状況について詳細な統計により報告しています。
2025年6月末の公的対外債務残高は、125億3940万ドル(約1兆8433億円)と2024年12月末の119億3384万ドルから5.1%の増加となっています。国別では、中国が最大で40億7779万ドル(全体の32.5%)、以下、アジア開発銀行26億4544万ドル(21.1%)、世界銀行18億1538万ドル(14.5%)、日本13億9914万ドル(11.2%)、韓国7億5586万ドル(6.0%)等となっています。
債務持続性分析を見てみると、2025年末予測で公的対外債務の現在価値の対GDP比率は18.4%(基準値40%)、同対輸出比率26.4%(同180%)、債務返済比率(債務返済の対輸出比率)1.9%(同15%)、債務返済の対歳入比率8.8%(同18%)と、いずれも健全とされる基準値を大きく下回っており、全く問題ありません。ストレステストでも基準値を超えることは全くなく、対外債務については、カンボジアは大変な優等生ということができます。世界銀行・国際通貨基金の判定でも「低リスク国(青信号国)」に分類されています。
新型コロナ対策や世界的インフレで多額の財政支出を余儀なくされ、また、経済状況も悪化する中で、対外債務に苦しむ途上国も見られます。また、高い水準にあるドル金利やドル高によって、いくつかの新興国で懸念が高まっています。既に、スリランカが破たんし、パキスタンやラオス等も厳しい状況です。
しかし、カンボジアは、債務の過半が日本や世界銀行・アジア開発銀行からの譲許的借款であることに加え、債務マネジメントをしっかり行ってきたため、対外債務については概ね問題なく、急激な為替レートの変動や外貨危機の可能性も低いと言えます。
2024年~2025年上半期に、中国はカンボジアに新規借款を供与していない模様で、残高に占める割合も低下傾向にあります。いわゆる「債務の罠」に陥る可能性は現状では低いものの、特定国に偏り過ぎないようにバランスを取りつつ、引き続き公的債務を管理していくことが必要と見られます。
経済財政省のサイト(英文及びクメール語です)
https://mef.gov.kh/documents-category/publication/public-debt-bulletin/
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