カンボジア経済

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第一生命経済研究所 タイ・ペートンタン首相が窮地 カンボジアとの国境紛争が契機に

 7月1日、第一生命経済研究所は、「タイ・ペートンタン首相が窮地、カンボジアとの国境紛争が契機に」と題するレポートを発表しました。著者は、経済調査部の西濵徹主席エコノミストです。
 レポートでは、「タイでは、隣国カンボジアとの係争地を巡る緊張が再燃し、5月末には一時的に両軍が交戦状態に発展した。同国政界では、タクシン派主導の現政権が親軍派や反タクシン派との大連立体制が敷かれるなか、国境問題を機に主導権争いが激化した。さらに、ペートンタン首相とカンボジアのフン・セン前首相の非公式電話会談の内容が流出し、その内容を巡ってタイ国内で政権批判が高まっている。政権支持率は急低下したほか、議会上院は憲法裁に首相の解任請願を提出する事態に発展している。さらに、両国は国境封鎖に動いており、関係悪化は供給網の寸断を通じて実体経済に悪影響を及ぼす懸念が高まっている」と分析しています。

 タイの軍部は、これまでも何度もクーデターを起こし政権を掌握する等、文民統制には程遠い状況にあります。このため、タイ政府は一貫した対応をとることが難しい状況にあるものと見られます。カンボジアとの紛争は、タイの政局の影響を強く受けており、タイの政局の安定無くして交渉の進展もないものと見られます。

 本レポートは、タイの情勢とカンボジアとの紛争に関する短くまとまったレポートで、お勧めです。

(写真は、カンボジアとタイの国境のポイペト国境)

 

第一生命経済研究所のサイト

https://www.dlri.co.jp/report/macro/476972.html

 

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